「とつきとおか」で迎える器 とつきとおかでの迎え方
とつきとおかでの迎え方
作る時間を共に過ごしていただき、お手元に
「めぐる」の三つ組椀<水平(すいへい)>と<日月(にちげつ)>は、適量・適速生産による自然素材の循環と季節のサイクルに則したものづくりを目指すため、年1回の受注期間を設けての数量限定・予約生産制とさせていただいております。
300セット(約900椀)を一年の「適量受注目標」としています。
受注期間は、毎年【12月15日〜3月15日】の三ヶ月間とっております。
ご注文いただいた器は、受注期間を経て、おおよそ“とつきとおか”をかけて皆さまのお手元にお迎えいただきます。お届けまでお時間をいただきますが、“とつきとおか”の期間中、毎月のメールや季節のお葉書などでご自身の器が育つ(作られる)様子をお知らせしています。
我が子を迎え入れるように、器のマタニティタイムをお楽しみいただければ幸いです。
ご注文からお使い頃までのスケジュール
- 毎年12月15日〜3月15日の三ヶ月間のみの受注(年1回)
- 春分の日(3月20日)が“とつきとおか”のスタート
- 春から秋まで会津の各工房で丁寧に製作していきます
- 製作期間中は、季節ごとのお手紙や動画などで、ご自身の器が生まれるまでの過程をお楽しみください
- 11月末にお届けします(「誕生花蒔絵」をお入れする場合には、さらに2ヶ月ほどお時間をいただきます)
- 12月いっぱいはご家庭で「枯らし(陰干し)」をしていただきます
- お使い頃は、ちょうど冬至やお正月の頃からとなります
製作工程と季節 もご覧ください。
※ご予約は全て「めぐる公式オンラインストア」にて承っております。お支払いについては、ご予約時にオンラインストアで事前にご決済いただくかたちとなりますので、ご了承いただければ幸いです 。
※“とつきとおか”は、約280日と言われますので、3月20日(春分の日)からスタートすると、ちょうど冬至の頃に「誕生(お使い頃)」を迎えます。
※お使いはじめは、冬至南瓜やお正月のお雑煮・七草粥など、年末年始のタイミングの良い日からお使いいただければと思います。
※漆器は、十年くらいをかけて塗膜が堅くなり続けていきます。最初の半年が一番塗膜が堅く締まっていきますので、余裕がある方は、3ヶ月以上置いてから使っていただくのもお勧めです。(特に、木地溜塗りの方は、枯らしを長めにしていただくことをお勧めします。)
季節のお便り
同じ年にご注文いただいた皆様は、同い歳生まれのめぐるを迎える仲間になります。
皆さまには、「めぐる第◯季メンバー」として制作過程をお伝えする“とつきとおか”のお知らせをお送りしています。
会津漆器工房を訪ねる旅や手前味噌仕込みワークショップ等のイベントも適宜開催していますので、同季メンバーで交流を深めていただければ幸いです。
お使いはじめの前に
最後の仕上げはあなたのお宅で 「枯らし」が丈夫な器を育てます
「めぐる」は、自然の力が詰まった“漆”という素材を感じていただくために、あえて塗ってからあまり時間を置かない状態でお送りしています。箱から出していただく際に感じられる独特の香りは、最初にしか嗅ぐことのできない漆本来の香りです。「めぐる」をお使いになる前に、箱から出して、直射日光に当らない場所で1~2ヶ月ほど空気にさらして陰干ししてください。(なるべく空気の通る場所がいいですが、普段明け締めする食器棚の中などでも結構です。)
この作業を「枯らし」と言いますが、こうすることで、漆の匂いも和らぎ、塗膜も丈夫になります。漆器を長持ちさせるには、大切なひと手間です。この漆器づくりの一番最後の工程を、是非あなたのご家庭でお願いします。
漆器の職人さんたちは、「いいものは人の手と時間が作る」と言います。「器が気持ち良く育つまで待つこと」の一端を感じていただければ幸いです。
漆という素材は、化学塗料とは違って、空気中の温度を感じ、湿度と結合しながら乾く(固まる)不思議な塗料です。あなたのおうちの空気と馴染みながら“お使い頃”になるまで、まずは器を愛でる時間をお楽しみください。
とつきとおか、お待ちいただきたい理由
持続可能な「適量生産」を目指すために
正統的に作られる漆器は、それぞれの器によって、木地の調達、漆の調合、塗りの技法などが異なるため、少量を少しずつ作るのは効率が良くありません。かと言って、自然素材を使った手しごとのため、大量生産もできません。少なすぎず多すぎす、適した量を作る「適量生産」を目指すことが、持続可能なものづくりへと繋がります。年間300組の受注生産とすることで、無理なく優良な材料を確保でき、作り手へも負担がかかり過ぎず、品質を保つことができます。この“とつきとおかシステム”は、みんなで日本のものづくりの現場を支える、新しい「共同購入」の仕組みです。
地域の風土と現代の暮らしの橋渡しとして
本来、日本のものづくりには季節のリズムがあります。漆器も春に木地を挽き、夏から秋まで漆塗りや蒔絵をして、冬に店頭に並んで、お正月の使用に合わせる。昔から繰り返されてきたこの1年間の製作サイクルは、木や漆といった自然素材をよく理解し、四季のリズムや日本の気候に合ったものでした。“とつきとおか”の期間、作る時間に寄り添っていただくことで、一つの器が、地域の風土と現代の暮らしの橋渡しになれたらと考えています。とつきとおか(十月十日)システムは、丁寧に作られたものを、その背景を知りながら長く使い、自然と文化を育む一員になる。そのような優しい暮らしの提案です。
長く使うものだからこそ、出会いも丁寧に
漆器はお直しをしながら長く使っていくことのできるものです。「めぐる」は、これからの人生のお守りのような存在として、暮らしに寄り添って欲しいと願いを込めています。ですから、自分の器がどのような季節を経て作られ手元に届くのか、できるだけ丁寧に出会ってほしいと願っています。現代は少し急ぎ過ぎていて、インターネットでクリックすればなんでも次の日には届いてしまう時代です。そんな現代だからこそ、ゆっくりと待つという間や余白を楽しむ。大量消費社会の中で失われた、そのような時間を取り戻していきたいと考えました。
◎私たちが目指すこれからのものづくりのあり方について、より詳しくお話ししたこちらのコラムも是非ご覧ください。
“とつきとおかで届ける器”の理由 〜自然産業の「適量生産」を探して〜
これまでいただいた
お客様からの声
- 商品が届くまでは時間が掛かりましたが、途中でメールでお知らせいただき嬉しかったです。まだ“枯らし”をしているので使用はしてませんが、中身を見るととても丁寧に説明が記載されており、安心しております。今後使用して漆がどのように変化して行くのか楽しみです。自分の子供、孫に伝えて行きたいと思います。(ストアレビューより/水平・花塗り・赤・黒)
- 手にするまで、時間がかかること、すなわち作成の過程で気候の影響を受けたり等、ひとつの作品が出来上がるまでには、様々な状況があったり、またそれを受け入れてたゆまず作り続ける作り手の方々がいることを知りました。大事に使います。(ストアレビューより/日月・花塗り・赤)
- とうとう着きました! 色合い、手触り、すごく気に入ってます。 光の具合や、見る角度によって、いろんな色に見えます。 1ヶ月、ゆっくり慣らして、じっくり育てます。 待つ時間も楽しめる器です。 この器で食事をするのを楽しみにしてます。(ストアレビューより/日月・拭き漆・赤)
- 先日、届いて、ふたを開けたら漆の匂いがして!とてもワクワクしました。 この匂いのために、使えるようになる2ヶ月前に届けていただいたそうで、使うまでにあとちょっと待ちます。 それも楽しみです。 漆の色は、使っていくと変わっていくそうなので、今の色を写真に撮っておき、何年後かに比べてみよう、という楽しみもあります。 時間を味わう楽しさ!多くの人に知ってほしいです。(ストアレビューより/水平・花塗り・赤)
- 「漆の時間」が大好きです。人間の都合のいいように育たない、乾かない漆たちの物語(湿度がないと乾かないなんて面白い!)、それに寄り添うように生きるのもかっこいいと感じて、漆器たちの変化を楽しんでいます。(ストアレビューより/日月・花塗り・赤)
最新情報をメールニュースにてお知らせしています
「めぐる」の三つ組椀<水平>と<日月>は、適量生産による季節の循環に則したものづくりのため、年1回の受注期間を設けての数量限定・完全予約生産となっております。受注は毎年【12月15日〜3月15日】の三ヶ月間のみです。予約期間を逃されませんよう、下記の2つの方法で最新情報をお受け取りください。
※なお、ギフト用などでお急ぎでご入用の場合には、こちらのページをご参考に、お問い合わせいただけましたら幸いです。
※その他、お匙・お箸・酒器・お皿・お盆など、すぐに購入可能な新商品も順次増えておりますので、「めぐる公式オンラインストア」を是非チェックしていただければ幸いです。
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