十月十日で迎える器 製作工程と季節

製作工程と季節

産地の年配の職人さんと話をしていると、よく「昔は1年かけて作るリズムが決まっていたんだよなァ」という話を聞くことがあります。
春に木地を挽き、夏から秋まで漆塗りや蒔絵をして、冬に店頭に並んで、お正月の使用に合わせると。実は、この1年間の製作サイクルは自然のリズムや日本の気候に合ったものでもあります。 漆器の素地となる日本の広葉樹は、木の活動が止まっている冬の時期に山から切り出され、1年ほど寝かされて水分を抜いていきながら、まず荒型という大まかなかたちに削られます。その状態で乾いた春の季節を過ごした後で器のかたちに整形して「木地」が出来上がります。その後、塗師によって漆が塗られますが、漆は湿度と温度の影響を受けながら乾く塗料のため、よく乾く夏の時期に下地を施して、気候が安定した秋の時期に繊細な上塗りを行うことで、丈夫で美しい仕上がりとなっていきます 。

そういった自然素材に適した季節のサイクルで作っていくことを取り戻していきたい、そのための仕組みが「十月十日(とつきとおか)」です。

製作工程と季節

前々年の冬

山からトチの木が伐り出されます。
1年かけて 板材の状態で自然乾燥し、ゆっくり水分を抜いていきます。

前年の冬

木地師の工房でトチの木が荒型という大まかなかたちに切り出されます。

4月まで

木地が十分に乾燥するようにさらにじっくり寝かされます。

5月

木地師が木地を仕上げ挽きをして器のかたちに整えます。その頃、塗師がめぐる用の漆を天日精製します。(1年寝かせて来年度分の漆となります)

6月

塗師の工房に移り、木地に漆を染み込ませて固めます。

7月

丁寧に下地(漆と土の粉を混ぜたもの)を施ししっかりした土台を作ります。

8月

下地の粒子を細かくしながらさらに塗り重ねていきます。

9月

漆だけでさらに塗り重ねていきます。

10月

最終工程となる上塗りをして仕上げます。

11月

お届け。

12月

各ご家庭で最後のひと手間「枯らし(陰干し)」をしていただきます。

1月

お使い頃となります。

お使い初める前に

最後の仕上げはあなたのお宅で。「枯らし」が丈夫な器を育てます

「めぐる」は、自然の力が詰まった“漆”という素材を感じていただくために、あえて塗ってからあまり時間を置かない状態でお送りしています。箱から出していただく際に感じられる独特の香りは、最初にしか嗅ぐことのできない漆本来の香りです。「めぐる」をお使いになる前に、箱から出して、直射日光に当らない場所で1~2ヶ月ほど空気にさらして陰干ししてください。(なるべく空気の通る場所がいいですが、普段明け締めする食器棚の中などでも結構です。)

この作業を「枯らし」と言いますが、こうすることで、漆の匂いも和らぎ、塗膜も丈夫になります。漆器を長持ちさせるには、大切なひと手間です。この漆器づくりの一番最後の工程を、是非あなたのご家庭でお願いします。

漆器の職人さんたちは、「いいものは人の手と時間が作る」と言います。「器が気持ち良く育つまで待つこと」の一端を感じていただければ幸いです。

漆という素材は、化学塗料とは違って、空気中の温度を感じ、湿度と結合しながら乾く(固まる)不思議な塗料です。あなたのおうちの空気と馴染みながら“お使い頃”になるまで、まずは器を愛でる時間をお楽しみください。


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