漆器のお手入れ・お直し めぐるのお直し
めぐるのお直し
漆器の寿命は直せなくなるまで
漆器の良さは、漆の塗り直しやカケ・ワレの補修など、「お直し」をしながら、長く使うことができることです。
漆の塗膜の耐薬品性や耐摩耗性は、他の化学塗料と比べても強い部類に入りますが、それでも長く使ううちに、徐々にすり減ってきます。(特に“拭き漆”の器は“花塗り”に比べて、すり減りが早い傾向があります。)
そのような時には、表面の塗膜だけを一度研ぎ落としてから漆の「塗り直し」をするとまた新品同様に生まれ変わります。
漆器の素地は天然の木です。
落としたり硬いものにぶつけても陶磁器やガラスのように粉々に砕けることはありませんが、それでも、当たりどころが悪いと器自体のカケやワレ(ヒビ)、塗膜の剥離などが起こる場合があります。
そのような場合には、漆で繕い、補修をすることができます。
繕った箇所は、赤や黒の漆で塗ったり、さらにそこに金粉や錫粉を撒くことで「金継ぎ」のように仕上げることも出来ます。
(陶磁器の金継ぎも、漆が接着剤として使われます。)
お直しの料金・納期目安とご依頼の手順
料金目安
・塗り直し(器全面の塗り直し):拭き漆 1椀 2,500円〜/花塗り 1椀 4,000円〜
・漆繕い(破損箇所のみの補修):塗膜の剥離 1箇所 2,500円〜/器のカケやワレ 1箇所 3,500円〜
※漆は自然素材ですので、作り手それぞれの漆の調合方法や塗る時の気候によって仕上がりの色艶が変わります。元の器と全く同じ色味にはなりませんが、ご了承ください。新しく生まれ変わった色艶をお楽しみいただければ幸いです。
※料金は、お直しする器の状態や破損箇所の大きさや数、仕上げ方法などで異なります。
※別途、往復送料や振り込み手数料をご負担いただております。(送料は、発送料はお客様の発送時にお支払いいただき、返送料は全国一律800円とさせていただいております。)
納期
約3ヶ月〜半年
お直しには通常3〜4ヶ月程いただいておりますが、器の状態によっては半年以上お時間をいただく場合もございます。どうぞ気長にお待ちいただければ幸いでございます。職人さんたちも通常のお仕事の合間を縫って修理の仕事を進めますし、また、器を一つ塗るのにもそれに合った漆を調合し、割れや欠けを補修し、塗りと研ぎを繰り返して手仕事でお直ししますので、お時間をいただきますこと何卒ご了承くださいませ。
また、お直しが終わった器は、まだ漆を塗ってから日が浅いため、1ヶ月ほどご自宅で「枯らし(陰干し)」をしてからご使用ください。
ご相談・お申し込み方法
まずは、器の破損箇所を写真に撮っていただき、このページの一番下にある「ご依頼フォーム」からお送りください。写真の段階で簡単に診断やお見積りをします。
その後、それ以上破損が広がらないように梱包いただき指定の住所までご郵送ください。
【※器が欠けた破片がある場合には、無くさないように必ず一緒にお送りください。】
なお、お送りいただいたお直し前の器の写真は、個人が特定できないようにした上でHPやSNS等で使用させていただく場合があります。
<めぐる以外の漆器のお直しについて>
現在、お直しのご依頼が大変立て込んでいるため、「めぐる」以外の器の修理受付を休止しております。大変申し訳ございませんが、ご理解いただけましたら幸いです。
※漆器修理を専門で展開されている「株式会社ヒロセ」さんですとご対応いただけるかもしれませんので、よろしければ下記サイトからご相談されてみてください。
https://www.shikki-shuuri.jp/
担当職人
お直しの仕事は、会津漆器産地の若手職人に依頼しています。
現在は、水平の塗師・吉田徹さんの工房で修行を積んだ小松愛実さんが主にお直しを担当しています。とても仕事が丁寧で腕のいい職人さんです。
漆器の修理は、器の状態の診察から実際の施術まで、お医者さんのような仕事です。若手職人の貴重な経験の機会ともなります(修理依頼は技術的な勉強になり、今後の制作の上でもとても貴重なデータになるそうです)ので、応援の気持ちでお直しを出していただければ嬉しいです。
なお、お直し料金は最低限の事務手数料を差し引いて、作り手さんに支払われます。
その他
・下地や木地が見えている状態で器を使い続けると、水や油が染み込み、状態が悪化する場合がありますので、そのような際には、早めにお直しに出していただくことをオススメします。こちらの「漆器のお手入れ」もご参照ください。
・なお、もしもこの機会に器の買い替えもご検討でしたら、1椀8千円前後で、長くお使いいただけるしっかりした漆塗りのお椀をご提案させていただくことも可能です。漆器のコンシェルジュとして、用途や雰囲気などのご希望に応じて、会津を中心とした作り手さんたちのとっておきの器をセレクトして提案させていただきます。
お直し実例
日月・拭き漆の素地のカケを補修(金仕上げ)
日月・拭き漆の素地のヒビを補修(黒仕上げ)
水平・花塗りの塗膜のカケを補修(錫仕上げ)
水平・花塗りの素地のヒビを直し、全面塗り直し
日月・花塗りを全面塗り直し(花塗り)
日月・拭き漆を全面塗り直し(拭き漆)
現在、三つ組椀<水平・日月>の第11季共同受注期間中です!
「めぐる」の三つ組椀<水平(すいへい)>と<日月(にちげつ)>は、適量生産による季節の循環に則したものづくりのため、年1回の受注期間を設けての共同予約生産となっております。ご注文は毎年<12月15日〜3月15日>の三ヶ月間のみお受けしております。現在、第11季(2025年生産分)のご予約を承っております。詳細はこちらの「めぐる公式オンラインストア」をご覧ください。今年もこの器をお迎えいただける皆さまとのご縁を楽しみにしております。
※新作の「めぶく」のご予約受付もスタートしております。その他、お匙・お箸・お皿・お盆・お猪口なども在庫販売しておりますので、どうぞご覧ください。
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