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水平の仕上げ塗り | 第6期とつきとおか日記⑨

2020年12月5日とつきとおか日記 



少し前のお話にはなりますが、10月も中旬に差し掛かる頃には、「めぐる」の上塗り(仕上げ塗り)が行われました。

上塗りの作業は本来、器の表面にホコリなどが落ちないように、家族であっても人を入れないような締め切った上塗り専用の部屋で行うのですが、特別に別室にて「めぐる」の上塗りの撮影をさせていただきました。

まだ固まっていない、潤いたっぷり艶々の漆の様子は、見ていてなんとも本当に美しいので、今回はあえてBGMも入れず、静かな工房の中の音だけでの映像にしました。是非耳をすませながらご覧いただけたら幸いです。


最後に行われている下の写真の作業は、「節上げ」と言って、表面に付いた細かいチリなどを取り除く工程です。


さて、今回もう一つお伝えしたいこと。それは、このような漆塗りの作業で使われている「刷毛(はけ)」についてです。これは一般に市販されているペンキ用の刷毛などとは違って、人毛(人の髪の毛)で出来た、漆塗り専用の刷毛なんです。そしてこの漆刷毛、専門の職人さんの手によって作られています。


実は、この漆刷毛づくりの工房も全国で僅か2軒だけとなってしまいましたが、会津の若き職人〈刷毛や狐〉の内海志保さんが、その技術を受け継ぎ、事業継承しました。


「めぐる」お届けの際に箱の中にお入れしていた緩衝材は、実は、この内海さんが漆刷毛づくりの材料としてヒノキの木を削る時に出たカンナ屑なんです。


日本の古来からのものづくりを、そのまた縁の下で支える「道具づくり」のことを少しでも知っていただければと、内海さんからカンナ屑を沢山いただき、「めぐる」の梱包の緩衝材として活用しています。

漆刷毛づくりのことに興味を持っていただいたら、是非<刷毛や狐>さんのウェブサイトをご覧いただけたら幸いです。
https://www.hakeyakitsune.com/


この緩衝材、ヒノキのいい香りがしますので、仕事中に嗅いでリフレッシュしていただいたり、お風呂に浮かべたりしてお楽しみください。

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