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日月の木地の木取りと荒型づくり | 第7期めぐるの“とつきとおか” 春

2021年5月19日とつきとおか日記 
フジの花
会津の山で咲いていた藤の花


めぐる第7期の皆さまへの「春のお便り」がお手元に届いている頃かと思います。(今年は少し春のお手紙が遅くなり申し訳ありません。)

今年は季節の進み方が早くて、南の方ではすでに梅雨入りのニュースも聞こえてきますが、皆さまの地域はいかがでしょうか?

会津では今、藤の花や桐の花の「薄紫色」が山を美しく染めています。
今年の「とつきとおかのお便り」の表面には、季節の花をイラストをお入れしていますが、今回は、その藤と桐の2つの花です。

このイラストは、めぐるのお椀の「誕生花蒔絵」を担当していただいている蒔絵師のほくるし堂・二瓶由布子さんに描いていただいています。

毎回、どんなお花が描かれるか、楽しみにしていてくださいね。



さて、5月に入ってからは、第7期の皆さまの「めぐる」の制作も本格的にスタートしています!

今回は、日月(にちげつ)の木地づくりの様子をお知らせします。

木地づくりと言ってもいきなりお椀のかたちになる訳ではなく、大きな板の状態から、木取り〜荒型と何段階かの工程を経て、だんだんと器のかたちに近づいていきます。

その様子は、こちらの映像にまとめていますので、是非ご覧になってみてください!(最後におまけも付いていますので、よかったら最後までご覧くださいね。)




<少し写真でも補足させていただきます>

はじまりは一年前。
岩手や奥会津から届いたトチの木が昨年の春に製材されました。

南会津の「きこりの店オグラ」さんでの製材作業


大椀・中椀・小椀、めぐるのお椀の厚みに、無駄なく板材に分けられていきます。

仕上がりを確認する木地師・石原晋さん


板になったトチの木は、一年ゆっくりと寝かされてきました。
そして今年の春、しっかり乾燥した材料が届きます。

こちらは、三島町の「森のしごと舎」さん


まずは、板材を器の大きさに切り分けていく「木取り(きどり)」の作業です。
節や割れを避けながら、ここでも無駄のないように切っていきます。


この工程を担当するのは、日月の器を担当していただいている石原木工所の石原悦子さんです。

木取りをしたら、次に「荒型(あらがた)づくり」へと進みます。


まずは外側を削ります。荒型を作る専用の機械を操作しますが、ひとつひとつ細かい調整が必要で、これも経験が必要な作業です。


続いて、内側の削り。


こうして、器のおおまかなかたちを作ることで、最後の乾燥を進め、木地の狂い(歪み)をなくしていきます。
この状態でまたしばらく寝かせてから、いよいよ仕上げ挽きへと移っていきます。


以上、日月の器の木取りから荒型づくりまでの工程をご紹介しました。



会津のウルシ畑では新芽も出て、そろそろ花も咲きそうです。
花が満開の頃には、漆掻き(ウルシの木から漆液を採取する仕事)も始まります。

それではまた次のお便りでお会いしたいと思います。

会津のウルシ畑にて(5月中旬に撮影)

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