漆器「めぐる」の連携プロジェクトとして、数年前から準備を重ね、今年から本格稼働している、ウルシ樹の新たな植栽プロジェクトがあります。

その名も「猪苗代漆林計画（いなわしろうるしりんけいかく）」といいます。

＜猪苗代漆林計画＞
福島県会津地方、猪苗代湖と磐梯山に囲まれた休耕地で、漆の木の植栽活動を行っています。漆器や農業に携わる仲間が集い、国産漆の供給不足と農地の獣害問題という2つの課題を解決しながら、子どもたちが自然と触れ合い、多様な担い手が学び育っていく循環型の漆林づくりを目指しています。Instagram：@inawashiro_urushi

この春、私たち猪苗代漆林計画にとってはじめての本格的なウルシ植栽イベントを開催することができましたので、今回はその模様をレポートしたいと思います。

ウルシの苗を植えるなら、せっかくなら漆を愛する/漆に興味のある皆さんにもお集まりいただき、みんなで楽しくちょっとしたお祭りっぽく出来たらいいね、ということを話し合い、「めぶき祭」という名前を付けてみました。

当日は快晴に恵まれ、約15人のメンバーで70本ほどの苗を植えました。（今年は約百本の苗を用意したのですが、その他の苗は前日にメンバー内で去年の補植分として植えました。）

第10季の皆さまの「めぐる」の売上からの寄付で、百本の苗木の購入費用に充てさせていただいています。

まずは植える場所にスコップで穴掘りから。場所によって硬かったり、いろんな投棄物が出てきたり、しまいにはクラーケンのような大きな木の根っこまで出てきて、耕作放棄地になると畑はこうなるんだということも実感しつつの掘り起こしでした

その後は、漆掻き（うるしかき）職人であり、植栽の経験も豊富な平井（猪苗代漆林計画メンバーです）の指導のもと、いよいよ苗木の植樹です。

皆さん、一本一本丁寧に植えていただき、自分が植えた苗を愛おしそうに写真に収める姿も印象的でした。

そして、無事に植樹を終えた後は、ちょっとしたワークショップを行いました。

「お祭り」と言ってるくらいだから植えるだけでなく何かやりたいね、植えた方のお名前や思いを残せたらいいねと話していたのですが、メンバーの一人である伝統野菜農家の土屋が、「漆が育つまでの15年後にみんなが願いを託す絵馬を書いたらいいんじゃないか」というアイディアを出してくれて、それをやってみることになりました。

漆器の端材のトチ材を木地師さんに絵馬の大きさにカットしていただき、木の杭と麻縄で漆畑に固定することになりました。

私たちらしく全て自然素材で。そう、この絵馬は15年のうちに雨や陽にあたり朽ちていき、自然と土に還っていきます。そうなった時にきっとみんなの願いが叶うね、と話しながらワークショップを行いました。

皆さん思い思いに願いごとを書いてくださり、会津磐梯山に向かって立てて終了となりました。

ということで、無事に終わった「第1回めぶき祭」。

終わってみるとあっという間のとても楽しい時間となりました。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました！

今年は初回でしたので、セミクローズドで実施しましたが、来年は公開イベントにしようかなと話し合っています。今後の展開も、どうぞお楽しみに！

NHKのニュースにも取り上げていただきました。https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20240413/6050025900.html

福島民友新聞さんにも取り上げていただきました。
https://www.minyu-net.com/news/scramble/FM20240415-850800.php

私たちの活動の本当の狙いや必要性、今後のビジョンについては、下記の記事をご覧ください。

＜猪苗代漆林計画の詳しい活動紹介記事はこちら＞
and trip「漆の植栽活動を通じたサステナブルな地域づくり」
BE-PAL.net「減少の一途をたどる国産漆の新たな解決モデル」

＜猪苗代漆林計画の活動情報はこちら＞
猪苗代漆林計画Instagram